前の記事にも書いたけど、この本を立ち読みしてからずっと、焚き火がしたい。
完全焚火マニュアル(Fielder特別編集) (サクラムック)
- 作者: Fielder編集部
- 出版社/メーカー: 笠倉出版社
- 発売日: 2019/07/10
- メディア: ムック
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私の焚き火したい欲はおさまらず、乗ってくれそうな人を誘ってみたり、市内でできる場所を探してみたりした。
どうしてこんなに焚き火がしたいんだろう。それはたぶん、火を起こして囲む、というのが、私にとって楽しかった思い出と直結しているから。
小学生のとき、市内のあらゆる小学校から生徒が集まって、郊外の学校の校舎を使ってみんなでキャンプをするイベントがあった。
初めて参加したのは3年生の夏。このときは友達と一緒に行ったのだけど、私だけがこの不思議な体験に憑りつかれてしまい、翌年からもひとりで欠かさず参加するようになっていった。
近所ではできない体験が新鮮で、とにかくわくわくした。
いつもの友達ではない新しい友達と、大人のボランティアとともに、山登り、川下り、いかだづくり、炊事、チューブすべり、ゲル泊…あらゆるアウトドアを遊びつくす。贅沢な数日間なのだ。
悪い思い出がひとつもない。すごいことだ。(川の岩にすねをぶつけて、とんでもない青たんを作ったことくらい!)
小学生のキャンプイベントにはつきものだけど、最後の夜には、決まってキャンプファイアがあった。
わたしはこの時間が、他のどんなプログラムよりも好きだった。
みんなで一緒の振り付けで踊るって、どうしてあんなにおもしろいんでしょうね。
たとえば、アブラハムに7人の子がいて、1人はのっぽであとはちびで、みんな仲良く暮らしてる…という歌を歌って、踊る。
なんの意味があるのかもわからないこんなフレーズを繰り返しながら、どんどん振り付けを増やしながら、だんだんみんな混乱していく、笑う。これだけで楽しさが伝染していく。
どんな子とも手をつないで、マイムマイムで笑いあう。
遠き山に日は落ちてを歌うと、からだの中に芯が通って、あったかくなるような、神聖な気持ちになった。
なんでも全力だった当時、なんでも全力でその場を感じた。
だんだん消えていく火。ある出会いのひとつの区切り。
あんなに単純で満ち足りた時間は、なかなかないなあと思う。
大人で言うとクラブとかフェスとかになるのかな、でも何かが違うんだよな。お金が見え隠れしてしまうから?
大人になったら、純粋なキャンプファイアはもうできないのかなあと寂しく思って、
ふと心当たりを思い出して調べてみたら、あった、キャンプファイア。
9月のトビウ芸術祭に、火を囲んでアイヌの伝承歌を歌うプログラムがあるみたい。絶対楽しい!参加できるかなあ~~
アイヌときて、ふと、星野道夫のエッセイを思い出した。ポトラッチ(テントの中で行うインディアンの儀式)のようすについて記してあるのを読んだときに、なんとなくキャンプファイアを感じたのだ。
林間学校のキャンプファイアの神聖な気持ちは、民族儀式をするときの心持ちの赤ちゃんみたいなものなのかな~とも思ったり。大げさだけど。
焚き火の話をしたかったのに、キャンプファイアの話になってしまった。
焚き火を囲んで、気の置けない友だちとしっぽり語るのも楽しそうだから、試してみたいなあ。
夜の火は、一生の思い出にふさわしいと思うんです。
とにかくこの夏、火を囲みたい。