現代の虚無感にむきあう

21世紀美術館にふらっと寄ったときに、村上慧という美術家の展示に出会った。

 

移住を生活する。

目の前で起こるさまざまなことに対する思考の反応のしかた、それを整理したいという欲求や、実際に文字にして表してしまうことなど、すごくすごく共感してしまった。実際に自分の時間をそう生きて、こうして私たちの眼前にあらわしてくれることを感謝した。

資本主義のうさんくささへの主張は、きっと若い世代の多くが根っこの部分で考えていて、でも社会のスタンダードがそうじゃないからと上手く表現できないことを、はっきりと言葉にしてくれたようだと感じた。そうだよな、やっぱりこの世はおかしいよな。

 

そして、批判したからといって何かをした気になるなという言葉、他人にさした指が自分にさされている複雑さについて、なんてままならない世界だろうと思う。うかつに人を批判できないのは、自分もその破壊に携わっているからだ。

 

似たような(と言っていいのかわからないけど)感覚を持っているこの人が、こうやって際限なく答えのない問いを考えてくれている―それだけで私の脳みそのメモリを少し空けることができる。きっと自分が考えるよりも精度高く、現実の感覚をもって思考を展開してくれる。

では私はどうやって社会と向き合おうか。

 

本も買った。

家をせおって歩いた

家をせおって歩いた

  • 作者:村上慧
  • 発売日: 2017/04/17
  • メディア: 単行本
 

 

Gezanも聴いている。

DNA

DNA