身近な人が転職活動をしている。職務経歴書を書くにあたり、彼が今までの仕事についてまとめていたので、私も便乗して現状をまとめてみることにした。すると、今の仕事に虚無を感じていた原因が分かったのである。
使ったのはマイナビのサイトに載っていたフォーマット。
キャリアの棚卸しのやり方 転職活動に役立つフォーマットと活用方法
キャリアの棚卸しをしてみて、気が付いたこと
今までの思考を整理して気づいたのは、「業務が会社の利益に繋がっていると実感できないとしんどい」「事業が社会の利益に繋がっていると実感できないとしんどい」という思いだった。
業務が会社の利益に繋がっていると実感できないとしんどい
かつて社会人生活の中で一番悩んでいた時期、「自分の業務が会社の赤字を生んでいる、何の意味もないことをしている」と感じていた。
新規顧客を獲得するのが目的だったのに、顧客一人を獲得するのにかかるお金が高額すぎて、リピートしてもたらしてくれるであろう利益の範疇を超えていたのだった。
この問題は私一人にはどうにもならない、構造的な問題だったので、自らの無力と会社を呪ったものだった。
結局その業務は、構造を改革するチャンスがあり、少しだけ利益性を改善することができた。その後、組織が変わるタイミングで別のチームに加わることとなった。
別のチームでの業務は、社内で手つかずだったことが多く、伸びしろも十分にある分野だった。
しかも、以前から興味があった企画やライティングの業務に携わることができたので、私のモチベーションはぐんぐん回復した。
事業が社会の利益に繋がっていると実感できないとしんどい
しかし、新しい環境での業務に慣れてくると、だんだん虚無を感じはじめた。「興味がある分野なのに、なぜだろう?」と考えていたが、しばらく答えは出なかった。
そして今、キャリアを振り返り、虚無の答えが出た。私は、「会社・事業の根底にある価値観にまったく共感できない」。
わが社は、世の中に便利なものを創造するために生まれた会社である。
しかし、私は人間の利便さを追求することにまったく魅力を覚えない。
むしろ私は、過剰な便利さは環境を破壊し、人間の感覚を鈍麻にする「悪」であるという立場だ。
世の大企業はSDGsに目を向けており(向けざるを得ず)、たとえ表面的であっても、社会的インパクトの大きい事業を営んでいる者としての責任を負おうとしている。
しかし残念ながら、わが社は環境や倫理に目を向けているとはいえない。
私は、信念とは逆の方向に進んでいたのである。
キャリアの舵を切るために
私の願う社会とは、次のような社会だ。
- 5年後、10年後、50年後の自分も、健康で文化的な生活を営んでいたい。子どもや孫の代まで、豊かな自然が残っていてほしい。
- 私は家族や友人、地域とつながりたい。そして、「孤独」による害をなくしたい。誰もがつながり、人の温かみを感じられる社会であってほしい。
こうした社会に貢献することに、私の人生を費やしたいのである。
まずは、情報収集から始めたい。
「〇〇士」と名前のついている職種には収まらない気がする。世の中にはどんな取り組みがあるのか。
本を読み、人と交流し、インプットしたうえで、自分の考えを熟成させていく。今年残り2カ月で、全力で取り組んでいきたい。恐れずにいこう。