2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

向日性、レオ・レオーニ

エアコンの効いた部屋で、ドライフルーツとナッツが練りこまれたアイスクリームを食べながら、朝まで語る調子で終わりのない話をする。 最近見つけた楽しみだった。彼女の家に泊まること。 考えなくていいことを正しく切り捨てる賢さと、理性をもっているこ…

新千歳と空と雪原

新千歳から飛び立った直後の、穏やかな北海道の海が、途方もなく美しかった。 太陽の反射で海の表面が白く見えて、何者も踏みこんでいない雪原みたいだった。これが本当に雪原だったとしたら、犬ぞりとともに走る冒険家の姿が目に見える。植村直己はこんな平…

ひらめかせる

足首まであるベージュのマキシスカートが、ひらめくのがうれしい。 私はけっこうなおしゃれ音痴である。 おしゃれすることは申し訳ないことだとかなんだとひねくれていた時期があったのもあり、ファッションを楽しむことに関しては、世間の女の子たちよりは…

詩作集についてのつぶやき

友達の絵が大好きなので、コラボして詩作集を作ろうって勝手に言ってるんだけど、詩って難しいね。 谷川俊太郎による試作案とか見てたら、練りに練られてるんだなあと驚く。 素人の遊びといえど友達の絵にケチはつけたくないので、がんばってみる。

作家にはなれない

みんなの前でああやって豪語はしたけれど、どう考えても作家にはなれないのだ。 本は大好きだけれど、本の虫というわけではなかったし、10代は文芸書よりも実用書のほうを多く読む、という色気のないものだった(悩める10代だったのだ)。文学部でもなければ、…

カレーライスを食べたい確信

カレーライスを食べたい。間違いない。 六本木の書店で本を物色していた。ここしばらくバイトバイトバイトで、新しいジャンルを広げる好奇心の余白を失っていたから、こうしてひとりで興味にふけることができる時間は久しぶりだった。何冊か目星をつけ、東京…

緑のキャップとビアガーデン

「大きいジョッキをひとつ」 一番近いレジを通り抜け、わざわざ私が担当する列に来たおじさんは、白髪まじりで、緑のキャップをかぶっていた。父である。 ビアガーデンのバイトの最終日だった。仕事もそこそこ板についてきたかなというころに、北海道の夏の…

行灯をつくって喜ばれる

今年の行灯は、4年間の集大成みたいだった。 夏の同窓会総会のために行灯を作ってくれませんか、と、春に母校の同窓会から連絡をもらった。毎年市内のホテルで、同窓生が集まる会が催されるのである。 今年のテーマは「灯」だから、そのテーマに沿って、ぜひ…